終了しました 活動記録 ワークショップ “Revenge of the Vernacular: Muscovy’s Turkic Engagement with the Persianate World” (Oct. 2)

2021.09.09

カテゴリ: ワークショップ

班構成: B01 国家体系A02 知の変換

B01「イスラーム共同体の理念と国家体系」では、A02「イスラームの知の変換」および北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターと共催で、ワークショップ “Revenge of the Vernacular: Muscovy’s Turkic Engagement with the Persianate World” を開催いたします。皆様のご参加をお待ち申し上げます。 

日時:2021年10月2日(土) 16:00~18:00

ウルファト・アブドゥラスロフ Ulfat Abdurasulov(北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター)
“Revenge of the Vernacular: Muscovy’s Turkic Engagement with the Persianate World”

コメンテーター:濱本真実(大阪市立大学/A02)
司会:近藤信彰(東京外国語大学AA研/B01)

ABDURASULOV Ulfat is Visiting Associate Professor of Central Eurasian Studies at the Slavic-Eurasian Research Center, Hokkaido University. His research interests embrace the history of Islamic Central Asia from the 17th to the early 20th centuries, including issues of property relations, political thought, and diplomacy. Dr. Abdurasulov’s current focus is on record-keeping, record-preservation practices, and politics of knowledge in Russia and Central Asia. He has authored several articles in academic journals such as Der Islam, Ab Imperio, Itinerario, Eurasian Studies, and Journal of Economic and Social History of the Orient. He is a co-author of the monograph Seeking Justice at the Court of the Khans of Khiva (19th–early 20th centuries) (Leiden: Brill, 2020).

 

使用言語:英語
開催形態:一般公開/無料、Zoomによるオンライン開催/要事前登録

事前登録:参加ご希望の方はこちらのフォームからお申込みください。

共催:科研費学術変革領域研究(A)「イスラーム共同体の理念と国家体系」(研究代表者:近藤信彰(AA研)課題番号:20H05827)/科研費学術変革領域研究(A)「イスラームの知の変換 」(研究代表者:野田仁(AA研)課題番号:20H05825)/北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター

 

問い合わせ・連絡先:
守田まどか  mmorita[at]aa.tufs.ac.jp

 

活動記録

本ワークショップでは、報告者のウルファト・アブドゥラスロフ氏により、17世紀ロシアと中央アジア諸ハン国(おもにヒヴァとブハラ)、イラン(サファヴィー朝)、インド(ムガール朝)との間の外交における言語選択について考察された。17世紀ロシアの外務庁文書の分析にもとづき、アブドゥラスロフ氏は、諸ハン国からロシアに送られた書簡ではペルシア語が用いられた一方、ロシアからの返答書簡はロシア語とテュルク語で記されたことなどを明らかにした。このように17世紀ロシアの外交言語がテュルク語に傾倒していたことが、18世紀初頭以降、諸ハン国の側もロシアとの外交においてテュルク語を採用する契機となったのではないかと結論づけた。コメンテーターの濱本真実氏からは、テュルク語が17世紀ロシアの外交言語として中心的位置を占めたひとつの要因として、文語としてのテュルク語の確立という15世紀後半以降進行していた現象が提示された。さらに、同時期の清朝との外交においてもテュルク語を用いようとしていた意図が窺われる事例の紹介から、ロシアが相手国の民族的出自にかかわらず、広くアジアに通用する共通語のひとつとしてテュルク語を認識していたことが指摘された。参加者31名。

(文責:守田まどか)

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