終了しました ワークショップ「難民と社会の危機」(Sep. 30)
2022.09.26
カテゴリ: ワークショップ
班構成: A03 移民・難民
A03「移民・難民とコミュニティ形成」班は、ベイルート在住のラーウィヤ・アッタウィールさん(千葉大学PD)をお招きし、ワークショップ「難民と社会の危機」を開催いたします。
ショートノーティスで恐縮ではございますが、多くの皆様のご参加をお待ちしております。
イスラーム信頼学ワークショップ「難民と社会の危機」
日時:2022年9月30日(金)16:30-18:00
報告者:Dr. Rawia Altaweel ラーウィヤ・アッタウィール
報告題目: “Situation Update: Syrian Refugees in Lebanon”(レバノンにおけるシリア難民の最新状況)
司会:黒木英充(東京外国語大学AA研/北海道大学SRC、A03班研究代表者・領域代表者)
開催形態:対面+オンラインzoom
会場:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 302小会議室
オンラインでのご参加はこちらのリンクよりお申し込みください。
(https://us02web.zoom.us/meeting/register/tZElceuvrDgjGdN0L6SdjvTeTHQ-I_Marh65)
言語:英語(通訳なし)
概要
在ベイルートの研究者ラーウィヤ・アッタウィールさんが、千葉大学における博士学位授与式に出席されるために来日されることとなりました。この機会をとらえて、レバノンにおけるシリア難民についてお話を伺う機会を急遽設けました。
近年、政治的混乱と未曽有の経済危機とに多くのレバノン人が苦しむなか、そこでシリア難民がどのような状況に置かれているのか、について最新状況を解説して頂きます。オンラインでの参加も可能です。
発表要旨
人口550万人、面積10,452平方キロのレバノンは、2011年にシリア内戦が始まって以来、150万人のシリア難民を受け入れています。これは1948年以来居住している20万700人のパレスチナ難民とは別に加わったもので、このためレバノンは、国民一人当り・国土単位面積当り世界最大の難民受け入れ国となっています。しかしレバノン共和国は難民条約の締約国ではありません。さらに2019年から、レバノンは激烈な経済金融危機と深刻な政治的不安定を経験しています。Covid-19と2020年8月のベイルート港大爆発とが追い打ちをかけたため、レバノンは大変な混乱を経験しており、そこで難民問題はとりわけ喫緊に取り組むべきものと見なされています。反移民言説は力を強め、社会経済的な問題や法的な課題が様々なレベルで深刻化しています。
レバノンのシリア難民問題の現況を適切に理解するために、本研究はシリア難民とレバノン危機に関して3つのレイヤー(層)を設定します。国際的・地域的動態のレイヤー、レバノン国内の政治・統治構造のレイヤー、そしてレバノン地方行政の動態のレイヤー、です。さらに、市民社会空間や、シリア難民とレバノン受入れ社会の社会経済状況のデータといったものが法的枠組みの変動(あるいは固定)とどのように関わっているかも含めて、政治的・統治的な安定の指標を収集して分析することも目指します。
本研究は現在進行中のものです。そのため、今後は、シリア難民を受け入れているトルコやヨルダン、イラクといった国々が難民を地方行政レベルでどのように統合しているかという問題についても、比較の観点から研究を拡げてゆきます。
主催
科研費学術変革領域研究(A)「イスラーム的コネクティビティにみる信頼構築:世界の分断をのりこえる戦略知の創造」
A03班「移民・難民とコミュニティ形成」(研究代表者:黒木英充(ILCAA/SRC); 20H05826)
問い合わせ・連絡先
太田絵里奈 e.otatsukada[at]aa.tufs.ac.jp