終了しました 活動記録 ワークショップ「中世のイエメンとインド洋における移動」(Aug. 6)
2021.07.12
カテゴリ: ワークショップ
B01「イスラーム共同体の理念と国家体系」では、A02「イスラームの知の変換」と共催で、ワークショップ「中世のイエメンとインド洋における移動」を開催いたします。皆様のご参加をお待ち申し上げます。
日時: 2021年8月6日(金) 14:00〜16:00
プログラム:
馬場多聞(立命館大学/B01)
「中世のイエメンとインド洋における移動」
コメンテーター:和田郁子(岡山大学/A02)
使用言語:日本語
開催形態:一般公開/無料、Zoomによるオンライン開催/要事前登録
事前登録:参加ご希望の方はこちらのフォームからお申込みください。
共催:科研費学術変革領域研究(A)「イスラーム共同体の理念と国家体系」(研究代表者:近藤信彰(AA研)課題番号:20H05827)/科研費学術変革領域研究(A)「イスラームの知の変換 」(研究代表者:野田仁(AA研)課題番号:20H05825)
問い合わせ・連絡先
守田まどか mmorita[at]aa.tufs.ac.jp
活動記録
本ワークショップでは、馬場多聞氏がこれまで行ってきたラスール朝(1229–1454年)に関する研究を総括し、イスラーム信頼学プロジェクトにおける今後の展望を示した。馬場氏の研究は、従来、インド洋交易の中継地としてのみ描かれる傾向にあったラスール朝について、嗜好品(乳香やギーなど)の流通、宮廷食材の消費や調達網、人々の往来などについての詳細な分析を通して、地域内外に広がる人・物の移動や情報ネットワーク、同時代の地理認識や王権の表現といった多様な側面を明らかにするものである。今後、イエメンやインド洋を往来する人々のコネクティビティ(水平方向)と、その展開において作用していた(あるいは作用していなかった)権力関係(垂直方向)を検討する方向性が示された。コメンテーターの和田郁子氏からは、「国家」や「港市国家」、「貿易」といったキー概念の用法について確認された後、近年のインド洋交易史の研究動向として、在地の政治権力による商人の管理に着目することで、ヨーロッパの進出による影響を相対化する傾向などが紹介された。参加者39名。
(文責:守田まどか)