終了しました イスラーム信頼学シンポジウム「人類学者ガッサン・ハージとイスラエル/パレスチナ問題をめぐる言論・学問の自由──「反ユダヤ主義」言説を問い直す」(共催:慶応義塾大学大学院法学研究科/社会学研究科・塩原ゼミ) (May. 13)
2024.04.17
カテゴリ: シンポジウム
班構成: 総括班
「イスラーム信頼学」総括班は、慶應義塾大学大学院法学研究科/社会学研究科・塩原ゼミと共催で、シンポジウム「人類学者ガッサン・ハージとイスラエル/パレスチナ問題をめぐる言論・学問の自由──「反ユダヤ主義」言説を問い直す」を開催いたします。
日時: 2024年5月13日(月) 18時30分~20時30分
会場: 慶應義塾大学三田キャンパス 南校舎2階421教室(定員150名・先着順、Zoomウェビナー配信あり)
使用言語: 日本語
参加費: 無料
開催形態: 一般公開/無料、対面・Zoomによるオンライン開催/要事前登録
事前登録: こちらのフォームからお申込みください。
※要事前登録(オンライン参加の方には、前日5月12日にZoomウェビナー情報をお知らせします) →追記:5月12日にZoomリンクをお送りしました。届いていない方はお手数ですが再度お申し込みをお願いいたします
プログラム:
1) 塩原良和 (慶應義塾大学・法学部・社会学)
批判的言論の危機と連帯──「ガッサン・ハージさんを支持する日本の研究者・市民からの声明」の経緯とその後
2) 前川真裕子 (京都産業大学・現代社会学部・文化人類学)
ガッサン・ハージを知るためのごく短い序説
3) 小森謙一郎 (武蔵大学・人文学部・ヨーロッパ思想史)
反-反ユダヤ主義としてのナショナリズム──ドイツの場合
4) 黒木英充 (東京外国語大学・アジア・アフリカ言語文化研究所・東アラブ地域研究)
テロと文明の認知戦──なぜ私たちは容易くひねられるのか?
司会: 野田仁 (東京外国語大学・アジア・アフリカ言語文化研究所/北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター・中央アジア地域研究)
趣旨:
『ホワイト・ネイション ネオ・ナショナリズム批判』(平凡社, 2003)、『希望の分配メカニズム パラノイア・ナショナリズム批判』(御茶の水書房, 2008)、『オルター・ポリティクス 批判的人類学とラディカルな想像力』(明石書店, 2022)の邦訳をはじめとする刺激的な研究で国際的に広く知られる人類学者ガッサン・ハージ氏は、2023年、オーストラリアからドイツのマックス・プランク研究所に拠点を移して新たな研究を開始していましたが、同年10月以降のパレスチナ・ガザにおけるイスラエルによる民族浄化/ジェノサイドの激化に対して批判的な発言をしたことにより、同研究所の職を解雇されました。本件は、多文化的・マルチエスニックな人類社会の在り方に関して非常に重要な問題提起をしてきた研究者に対する、驚くべき対応がドイツという国においてなされた点で衝撃的です。のみならず、イスラエル/パレスチナ問題をめぐるこれまでの国際政治の暗部を明るみに出し、言論の自由を通じて学問が人類社会に貢献する可能性を、他でもない西欧社会が著しく毀損していることもあぶりだしました(ドイツのみならずフランスも含めて、例えばジュディス・バトラー、マーシャ・ゲッセン、ナンシー・フレイザーについて、また米国ではハーバード大学等の学長をめぐって、同類の問題が起こっています)。本件は世界的な反響を呼んでいますが、日本国内では一部の研究者以外には広く知られているとは言えない状況にあります。
今回、ハージ氏の著作・研究を日本に紹介する中心的な役割を果たしてきた社会学・人類学研究者と、ヨーロッパ思想史・東アラブ地域研究の研究者とがこの問題を議論し、私たちが国際政治の現実のみならず、学術・研究一般の次元においても、極めて重要な岐路に立っているとの危機感を共有し、今後の針路を考える場をもちます。多くの方々の参加を呼びかけます。
会場アクセス: 慶應義塾大学三田キャンパス 南校舎2階421教室
田町駅(JR山手線/JR京浜東北線)徒歩8分、三田駅(都営地下鉄浅草線/都営地下鉄三田線)徒歩7分、赤羽橋駅(都営地下鉄大江戸線)徒歩8分
※キャンパスマップ4番の建物です。
共催:
・科学研究費学術変革領域研究(A)「イスラーム信頼学」総括班(研究代表者: 黒木英充(ILCAA) 課題番号: 20H05823)
・慶應義塾大学大学院法学研究科/社会学研究科・塩原ゼミ
問い合わせ先: 「イスラーム信頼学」事務局 email: connectivity_jimukyoku[@]tufs.ac.jp