終了しました ワークショップ「近世インドの港市にみるコネクティビティ」(Sep. 30)
2021.08.30
カテゴリ: ワークショップ
A02「イスラームの知の変換」とC01「デジタル・ヒューマニティーズ的手法によるコネクティビティ分析」は、ワークショップ「近世インドの港市にみるコネクティビティ」を開催いたします。
皆様のご参加をお待ち申し上げます。
日時: 2021年9月30日(木) 9:30〜11:30
報告者:嘉藤慎作(東京外国語大学AA研/A02)
「近世インドの港市にみるコネクティビティ:スーラトを事例として」
コメンテーター:新井和広(慶應義塾大学/C01)
使用言語: 日本語
開催形態:一般公開/無料、Zoomによるオンライン開催/要事前登録
事前登録:参加ご希望の方はこちらのフォームからお申込みください。
共催:科研費学術変革領域研究(A)「イスラームの知の変換 」(研究代表者:野田仁(AA研)課題番号:20H05825/ 科研費学術変革領域研究(A)「デジタル・ヒューマニティーズ的手法によるコネクティビティ分析」(研究代表者:熊倉和歌子(AA研)課題番号:20H05830)
問い合わせ・連絡先
嘉藤 慎作(shin_kato[at]aa.tufs.ac.jp)
活動記録
本ワークショップでは、報告者の嘉藤慎作氏が、ムガル帝国と東インド会社との間での意思疎通や港市内の商人を中心とする人的なつながりの様相について、主にムガル帝国時代の港市スーラトの事例を中心に検討した。ペルシア語とポルトガル語がムガル帝国と東インド会社との間の意思疎通において重要な言語であり、通訳や文書の翻訳のために非ムスリムの現地人が雇われていたことが指摘された。一方で、特にオランダ東インド会社の場合、ムスリムである役人たちとの関係において、場面に応じてムスリムの現地人を用いるケースがあったことも明らかにされた。また、商人を中心として、宗教的なつながりと、利益や目的に基いた宗教的枠組みを超える協力関係の両方が見られることが示された。
コメンテーターの新井和広氏からは、通訳・翻訳者の緩衝としての役割や、コスモポリタンな状況におけるイスラームという要素がコネクティビティ形成の壁となる可能性などを、今後研究を進める上で考慮すべきではないかという提案がなされた。質疑においては、ムスリム商人側の関係形成のプロセスそのものの研究を事例に基づいて進めていくことの重要性が議論された。参加者47名。