終了しました ワークショップ「信頼を不信から考える―マシュー・キャリー著『民族誌的理論としての不信』を手がかりに」(Jul. 31)
2021.06.29
カテゴリ: ワークショップ
A03「移民・難民とコミュニティ形成」班とB03「紛争影響地域における信頼・平和構築」班はワークショップ「信頼を不信から考える」を開催いたします。
本発表では、池田昭光さんに、人類学者マシュー・キャリーがモロッコ(およびウクライナ)でのフィールドワークにもとづいて著した『民族誌的理論としての不信』(Matthew Carey, Mistrust: An Ethnographic Theory, HAU Books, 2017)の内容をご紹介いただきます。
日時:2021年7月31日(土曜日)
報告者:池田昭光(明治学院大学、A03班研究分担者)
コメンテーター:石井正子(立教大学、B03班研究代表者)
司会:黒木英充(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、A03班研究代表者・領域代表者)
プログラム:
13時30分~14時30分 池田昭光
「『民族誌的理論としての不信』の内容紹介」
14時30分~14時45分 休憩
14時45分~15時15分 池田昭光「本科研研究課題に引きつけた論点整理・問題提起」
15時15分~15時30分 石井正子「コメント」
15時30分~15時45分 休憩
15時45分~16時15分 全体討論
発表要旨:
本発表では、人類学者マシュー・キャリーがモロッコ(およびウクライナ)でのフィールドワークにもとづいて著した『民族誌的理論としての不信』(Matthew Carey, Mistrust: An Ethnographic Theory, HAU Books, 2017)を取り上げます。
発表の前半では、本書の核心部分が専門領域を異にする参加者にも理解されることを目指した内容紹介を行います。おそらく、信頼と不信とを対立的に考えるのではなく、両者が表裏一体であることが話題の中心になるかと予想します。また、不信ないしは信頼と密接にかかわる用語として自律性、アナキズム、内面、意図といったキーワードが用いられているため、これらの相互連関に注意しながら、不信/信頼がどのような枠組みで問題化されているかをできるだけ立体的に紹介することを心がけます。
発表の後半では、本科研が同書から学ぶべき論点をいったん整理したのち、内容の批判的検討(ソーシャル・キャピタルへの言及が限定的である点など)や既存の「信頼研究」との比較などを行い、本科研が取り組むべき問題点の提起などを行います。
キャリーの著作は社会学、政治学等の「信頼研究」に目配りしながらも、「信頼」ではなく「不信」を主題とする点で特色があり、本科研の論点やアプローチを検討するうえで一定の価値を持つと思われます。
なお、キャリーの本著作は出版社のサイトから全文ダウンロード可能です。
https://haubooks.org/mistrust/
使用言語:日本語
開催形態:オンライン(Zoom) こちらのリンクより事前登録をお願いいたします。
※ご登録いただくことで当日のリンクが自動送信されます。リンクの共有はできませんのでご注意ください。
主催
科研費学術変革領域研究(A)「イスラーム的コネクティビティにみる信頼構築:世界の分断をのりこえる戦略知の創造」
A03班「移民・難民とコミュニティ形成」(研究代表者:黒木英充(ILCAA); 20H05826)
B03班「紛争影響地域における信頼・平和構築」(研究代表者:石井正子(立教大学); 20H05829)
問い合わせ・連絡先
太田絵里奈 e.otatsukada[at]aa.tufs.ac.jp