終了しました ワークショップ「イスラームの知の展開とコネクティビティ」(Jul. 18)
2021.06.21
カテゴリ: ワークショップ
A02「イスラームの知の変換」とB01「イスラーム共同体の理念と国家体系」は、ワークショップ「イスラームの知の展開とコネクティビティ」を開催いたします。
皆様のご参加をお待ち申し上げます。
日時: 2021年7月18日(日) 14:00〜17:00
プログラム
趣旨説明:野田仁(東京外国語大学AA研/A02)
報告1:矢島洋一(奈良女子大学/A02)
「完全人間としてのムスリム君主」
報告2:坪井祐司(名桜大学/A02)
「イギリス領マラヤにおけるマレー・ムスリムのコネクティビティ:マレー語定期刊行物の分析から」
総合討論
使用言語: 日本語
開催形態:一般公開/無料、Zoomによるオンライン開催/要事前登録
事前登録:参加ご希望の方はこちらのフォームからお申込みください。
共催:科研費学術変革領域研究(A)「イスラームの知の変換 」(研究代表者:野田仁(AA研)課題番号:20H05825/ 科研費学術変革領域研究(A)「イスラーム共同体の理念と国家体系」(研究代表者:近藤信彰(AA研)課題番号:20H05827)
問い合わせ・連絡先
嘉藤 慎作(shin_kato[at]aa.tufs.ac.jp)
活動記録
本ワークショップでは、矢島洋一氏と坪井祐司氏の両名が報告をおこなった。矢島氏は、イブン・アラビーの思想に見える「完全人間」という概念に注目し、この語が君主を呼び表す語として用いられている事例をトルコ・イラン・インドから東南アジアに至るまで横断的に検討し、そのパターンを分析した。現状では一定の留保はあるものの、イブン・アラビー思想が広範な地域に伝播したばかりでなく、神秘主義哲学以外の領域にも浸透していたことを示す事例として捉えることができるということが示唆された。坪井氏は、20世紀にマレー半島で出版されたマレー語定期刊行物の検討を通じて、「マレー民族」形成期においてこれらの出版物が果たした役割を分析した。分析対象の定期刊行物を媒介とした重層的なコネクティビティが看取されうることが示されたうえで、定期刊行物が脱植民地化の時代においては中東の改革思想を伝播させるなどの役割も果たしていたことも明らかにされた。質疑応答の際には、矢島氏の報告に対しては、各地域における「完全人間」に関するイメージについての議論が提起されたほか、他の君主像との比較も研究に資するのではないかという提案もあった。坪井氏の報告に対しては、アラビア語の知識が定期刊行物の作成にどのように活かされたのかといった、知の伝達という観点からの質問もなされた。(参加者40名、嘉藤記)