終了しました 活動記録 ワークショップ「権力との信頼の構築と破綻」(Jul. 20)
2021.06.17
カテゴリ: ワークショップ
B01「イスラーム共同体の理念と国家体系」では、A02「イスラームの知の変換」および科研費基盤研究(B)「暴力による民主主義の20世紀:トランスナショナルヒストリーの試み」 (18H00697)と共催で、ワークショップ「権力との信頼の構築と破綻」を開催いたします。皆様のご参加をお待ち申し上げます。
日時: 2021年7月20日(火) 14:00〜16:00
プログラム:
長縄宣博(北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター、B01)
「権力との信頼の構築と破綻:帝政末期のロシア・ムスリム社会の場合」
コメンテーター:中西竜也(京都大学人文科学研究所、A02)
使用言語:日本語
開催形態:一般公開/無料、Zoomによるオンライン開催/要事前登録
事前登録:参加ご希望の方はこちらのフォームからお申込みください。
共催:科研費学術変革領域研究(A)「イスラーム共同体の理念と国家体系」(研究代表者:近藤信彰(AA研)課題番号:20H05827)/科研費学術変革領域研究(A)「イスラームの知の変換 」(研究代表者:野田仁(AA研)課題番号:20H05825/科研費基盤研究(B)「暴力による民主主義の20世紀:トランスナショナルヒストリーの試み」 (研究代表者:長縄宣博(北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター)課題番号:18H00697)
問い合わせ・連絡先
守田まどか mmorita[at]aa.tufs.ac.jp
活動記録
本ワークショップでは、報告者の長縄宣博氏が、帝政末期ロシアにおける権力とムスリム社会の信頼構築・破綻の諸相について、多民族都市アストラハンの事例を中心に提示した。信頼構築は、既存の制度的枠組みを前提とした権力と社会との間の継続的な交渉のプロセスであった一方、その破綻とは、民族や宗教、地域などを超えた横断的な人間関係や思想的むすびつきが形成・強化される過程であったという考察を通して、信頼の構築/破綻という二項対立的理解を脱する必要性や、垂直方向の権力関係と水平方向のコネクティビティを相関関係としてとらえる可能性が示唆された。コメンテーターの中西竜也氏からは、異教徒権力のもとに組み込まれた少数派ムスリム社会という共通項を軸に、比較史的観点から解説と質問がなされた。権力への不信の表明が、権力との信頼関係の再構築に結果した中国ムスリムの事例なども紹介された。以上のように、B01班の主要な研究課題である、垂直方向にはたらく国家権力と水平方向にひろがるコネクティビティの関係についての斬新な分析視座が議論された。参加者34名。
(文責:守田まどか)