終了しました 【総括班シビルダイアログ】「こども環境学会」で報告を行ないました(Jul. 7-9)
2023.07.14
カテゴリ: 成果発信
班構成: 総括班
「こども環境学会」2023年度大会における報告
2021年度以降、イスラーム信頼学・総括班が学問と社会との接合を目指して実践している
保育園におけるシビルダイアログの試みにつきまして、
教育関係者、自治体・MLA関係者が多く在籍する「こども環境学会」の年次大会において報告を行ないました。
題目
「保育園から地域へと広がる学び空間の創出
―イスラーム信頼学シビルダイアログの試み」
報告者
太田絵里奈(総括班特任助教・東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)
佐藤将(C01班研究協力者・金沢星稜大学)
本田直美(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)
2020年の『学習指導要領』の改訂により、昨今の学校教育においては地域や専門組織と連携した
探求型学習への関心が高まっています。
他方、人文学系の大学や研究組織におけるアウトリーチ活動は、
成果物出版や講演会が中心となっており、
その対象も、該当分野への関心の高い層が想定されてきました。
しかし、近年の問題解決に向けた自発的な思考を促す教育方針への転換により、
研究者側も「教える(=正解を出す)」という
従来的なアウトリーチ活動にとどまらず、ともに思考し、
学びを展開させる機会を提供することが求められています。
このシビルダイアログでは、線路跡地の再開発によって誕生した認可保育園(世田谷区)を舞台に、
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所との共催のもと、
グローバルヒストリーにおいて、イスラームが世界をつなぐ潤滑油のように作用している点に着目し、
対話的ワークショップを多く取り入れることで、双方向性ある成果還元を目指しました。
本実践は、一般公開日の会場来場者は2021年度が1,287名(11月6・7・13・14日の合計)、
2022年度は874名(11月5・6・12・13日の合計)と盛況に終わりました。
保育園というこどもの預け場所を会場としていながら
各年度・開催日を通じてファミリー層、大人のみの来場者の割合は拮抗しており、
主催者側の想定以上に近隣住民や再開発地域への訪問者が足を運んでいたことが着目されます。
今回、「教育」や「こども学」とは異なるディシプリンからの参加でしたが、
コアタイムにおける報告では、本実践の射程と成果に対し、
幅広い共感と関心を得ることができました。
今年度もシビルダイアログ(市民対話)という言葉に即し、
「伝える」を超えた成果還元の在り方を模索していきたいと思います。
(文責:太田絵里奈)